“日本三大うどん”と言えば必ず名前が挙げられる「讃岐うどん」と「稲庭うどん」。
どちらも知らない人はいない有名なうどんですが、その違いはどこにあるのでしょうか?
讃岐うどんと稲庭うどんの違いを検証してみましょう。
“日本三大うどん”と言えば必ず名前が挙げられる「讃岐うどん」と「稲庭うどん」。
どちらも知らない人はいない有名なうどんですが、その違いはどこにあるのでしょうか?
讃岐うどんと稲庭うどんの違いを検証してみましょう。
モチモチとした食感と弾力のある歯ごたえこそが「讃岐うどん」の命。
本場本物の讃岐うどんはどのようにして作られるのでしょうか?
讃岐うどんの打ち方をご説明しましょう。
讃岐うどんは基本的に以下のような手順で打たれています。
塩水づくり
↓
加水
↓
手合わせ
↓
まとめ
↓
足踏み
↓
寝かし
↓
生地伸ばし
↓
切る
↓
茹でる
↓
食べる
基本的には、小麦粉と塩と水を混ぜ、足で踏んで寝かして切る、という工程となりますが、普通のうどん作りではなじみのない言葉もあるようですね。ではさらに詳しく見てみましょう。
まずは分量です。
10人前を打つ場合の基本的な分量はこちらです。
小麦粉(中力粉)…1kg
塩(天然塩がおすすめ)…40g
水(天然水がおすすめ)…560cc
打ち粉(コーンスターチ推奨)…適量
【塩水づくり】
塩水は讃岐うどんのコシに作用します。
小麦粉に塩水を加えるとグルテンが引き締まり、弾力のある麺を生み出すのです。
塩の量は定量ではなく季節によって変わります。
目安は小麦粉100に対して春・秋は5%、夏は6%、冬は4%加えるのが基本です。
作り方は塩と水をボールに入れて塩が完全に溶けて混ぜます。
塩が解けていないと小麦粉と合わせた時にムラができるので注意です。
【加水】
小麦粉に塩水を加えてゆく事を「加水」と言います。
塩水を小麦粉に少量ずつ流し入れながら混ぜます。一度に入れると生地が軟らかくなってしまう事があるので、約一割を残すように意識しながら、まんべんなくまぜる事がポイントです。
【手合わせ】
小麦粉と塩水を手で混ぜながらそぼろ状にする作業が「手合わせ」です。
手合わせがうまくいかないと讃岐うどんの仕上がりに影響しますので、注意を払う必要があります。
指を大きく広げ、指先に力をいれて、全体的に円を描くように混ぜます。
混ぜる時間の目安は3~4分で、粉の色が白から淡黄色になったら手合わせ終了です。
【まとめ】
手合わせで、そぼろ状にした粉を、寄せ集めて一つの玉にまとめ上げることを「まとめ」と言います。
粉の塊を両手で寄せながら団子を作るようにまとめます。
生地を回転させながら体全体を使ってまとめます。最後はこね鉢全体を使って生地を前後左右に体全体をつかって押し固めると、うまくまとまります。
ちなみに「まとめ」の段階では生地はボソボソしています。
【足踏み】
モチモチ食感と弾力のある麺を作るには「足踏み」が必要です。
まとめた生地を袋に入れ、袋の上に布かゴザをかぶせ、足のかかとで50回~100回くらい、足踏みをして生地を伸ばします。約5分踏んだら直径40cm、厚さ1cmにし、さらに丸めて団子にします。この踏む→団子にする→踏む作業を繰り返繰り返し足踏みしてゆきます。袋から生地を取り出したら三つ折りにし、上から抑えて平らに整えたら、生地の角を真ん中に巻き込み、絞った所が閉じないようによじり、ビニール袋に入れます。
【ねかし】
ビニール袋に入れた生地は、室内に置いて「ねかし」をします。「ねかし」は生地を熟成させる工程です。
寝かす時間は春・秋が1~2時間、夏は30分~60分、冬は2~3時間が目安です。
その年に収穫された小麦なら、グルテンが硬直していないので寝かす必要はありません。
【生地のばし】
寝かせた生地は「生地伸ばし」で薄く伸ばします。
団子状態になっている生地を足で踏む、または手で2センチくらいの厚さまで伸ばし、打ち粉をします。
生地の真ん中に麺棒を置いて押しながら転がして、全体的に正方形になるように整えて伸ばします。
【切り】
伸ばした生地をうどんの形状にする工程が「切り」です。
生地に打ち粉をして、下を広く、上へ行くほど狭くなる山のような形で3、4段に折りたたみます。
生地の山を包丁で3ミリ位の間隔に切ります。
切ったら打ち粉を払い、中央部分を束ねて麺をふるってほぐします。
【茹でる】
大きな鍋にたっぷりとお湯を沸騰させ、麺を入れたら、麺がくっつかないように棒で軽く混ぜます。
麺を入れるとお湯の温度が一瞬下がるので、再沸騰をさせてうどんを浮かせます。
12分~13分ほど茹でたら完成です。
このように工程と分量をしっかり押さえればおいしい讃岐うどんを自分で打つことが可能です。
最期にもう一つ「茹でたら5分以内に食べる」を付け加えておきます。
楽しく打っておいしい讃岐うどんを食べましょう!
日本で一番有名なうどんと言えば「讃岐うどん」が真っ先に挙げられます。
その名前は海外にも轟いていますが、まだまだ「讃岐うどん」を知らない外国人も存在します。
日本へ観光に来る外国人観光客へ讃岐うどんのすばらしさを伝えたい時、讃岐うどんはどんな表現で伝えたらいいでしょうか?
讃岐うどんを英語で表記すると「Sanuki Udon」です。詳しく説明すると「Sanuki Udon (udon noodles from Kagawa Prefacture)」となります。すでに「うどん」は日本の料理として「Udon」と認識されていますので、それに地名の「Sanuki」をつけるだけで「讃岐うどん」と認識してもらえます。
「讃岐うどん」の言葉を知ってもらうだけでは、おいしい讃岐うどんにはありつけません。
多種多様に存在する讃岐うどんのメニューも知ってもらう事も大切です。
人気の讃岐うどんのメニューは英語で何と言うのか下記にまとめました。
・釜揚げうどん…Kamaage-Udon style(plain hot Udon noodles dripping sauce)
・生醤油うどん…Kijouyu-Udon style(Udon noodles with pure soy sauce)
・釜玉うどん…Kamatama Udon style(boiled hot Udon noodles with raw egg and soy sauce)
基本的にメニューの名前はそのままで、最後に「style」を付けます。
この3つのメニューを押さえておけば、ある日突然、外国人観光客から讃岐うどんについて聞かれてもバッチリです。
せっかくメニューを説明できるようになったなら、その「食感」も伝えてしまいましょう。
讃岐うどんの特徴は「もちもち」とした食感です。しかし、英語は食感を伝える表記はあまり豊富ではありません。
「もちもち」と言った食感を伝える英語表記はありませんが、讃岐うどんの食感は「コシのある麺」という意味の「chewy」もしくは「少し歯ごたえが残る茹で具合」である「al dente(アルデンテ)」で表記される事があります。
讃岐うどんの食感を説明するなら「Sanuki Udon noodles is chewy!」と説明してみましょう。
日本一の讃岐うどんだからこそ、一人での多くの海外の人にその名前と美味しさを知ってもらいたいですね。
難しい英語は必要ないので、是非とも活用してみてください。
讃岐うどんは単なるご当地ブランドではなく、讃岐に住まう人の歴史と共にあると言っても過言ではありません。
讃岐うどんは古くから讃岐の土地の人に愛され「うどん県」と称されるまで、全国的認知力もトップクラスです。
そんな讃岐うどんの起源を一緒に探ってみましょう。 “讃岐うどんの起源とは?” の続きを読む
全国的にうどんをカテゴライズすると「讃岐うどん」以外にもいろいろな種類のうどんがあります。
例えば、秋田県の「稲庭うどん」群馬県の「水沢うどん」長崎の「五島うどん」など、どれも全国的にメジャーなうどんです。
その中でも「讃岐うどん」には際立って独自の文化とルールがあります。
讃岐うどんと普通のうどんの違いとはどのような所にあるのでしょうか?
讃岐うどんには、讃岐うどんたる下記のような「定義」が存在します。
なかなか細かい規定がありますが、この定義を忠実に守る事により、讃岐独自のエッジのたった麺に仕上がるのです。
ただし、この定義は「讃岐の中で讃岐うどんとするもの」とされ、讃岐以外に展開する「讃岐うどん」「さぬきうどん」の店舗にはこの制限はありません。
うどんのスープと言えば「つゆ」または「おつゆ」が一般的です。
これは、味に決定的な違いのある関東のうどんでも、関西のうどんでもスープは「つゆ」と呼びます。
しかし讃岐ではスープでも醤油でもつけだれでも、分量、濃淡関係なしに「だし」と言います。
ベースに「いりこ」を使っているのも大きな違いです。
讃岐ではうどん屋が確立する前から「だし」をかけてうどんを食べていたので「うどんのだし」は地域に根付いた呼び方なのです。
讃岐うどんの最大の特徴は「素うどん」という概念がないという点にあります。
讃岐うどん最ものシンプルなうどんは「かけうどん」または「ぶっかけうどん」です。
シンプルと言えども、天かすやネギなどの「かやく」は付きます。
麺、だし、かやくがひとセットになって「かけうどん」として成立するため「素うどん」や関東風の「かけうどん」と違った存在と言えるでしょう。
いろいろまとめてみましたが、つまるところ讃岐うどんとは、「いかに麺をおいしく作っておいしく食べるのか」の考えのもとに成立している事が分かります。
讃岐うどんを頼む時は「つゆ」や「素うどん」とは言わず、まずはだまって「ぶっかけ」を頼んでみるのも良いかもしれません。
讃岐うどんに慣れ親しんでくると、「ひやあつ」「あつひや」という言葉があることに気づきます。
実はどちらも、うどん玉の温度と出汁の温度に関係する言葉です。
覚えておくとためになる、讃岐うどんの「ひやあつ」「あつひや」についてご説明します!
讃岐うどんの「ひやあつ」とは「ひや(冷たい麺)」を「あつ(熱い出汁)」でいただく食べ方です。
讃岐うどんでは、一度麺をゆでた後に冷水で締め「うどん玉」にします。
その冷たいうどん玉をどんぶりに入れ、熱い出汁をかけると「ひやあつ」のうどんになります。
熱い出汁をかけても、冷たいうどん玉と合わせるとぬるくなるので、本場讃岐では、乳児や幼児向けのうどんとしても認識されています。
また、ひやあつは、麺が伸びにくいので「コシが強くて温かいうどん」を食べたい人には、おすすめです。
ひやあつで代表的な食べ方は「ぶっかけうどん」です。
セルフのうどん屋さんでは、自分でうどん玉をあたためず、そのまま熱い出汁をかけて「ひやあつ」を楽しむ人の姿もあります。
「あつひや」とは「あつ(熱い麺)」を「ひや(冷たい出汁)」でいただく食べ方です。
「ひやあつ」とは逆で、釜揚げ状態のあつあつの麺に、冷たい出汁を掛けると「あつひや」のうどんになります。
ひやあつと違うのは、釜揚げ独自の食感で、ひやあつよりも柔らかく、もちもちした食感が楽しめます。
うどんそのものの温度はひやあつと同じくらいなので、釜揚げ麺の食感を思いきり楽しみたいときは、あつひやがおすすめです。
茹でた麺と出汁の温度の取り合わせで食感の違いを味わうことができる「ひやあつ」や「あつひや」ですが、
その組み合わせは食べる人の自由です。
「熱い麺」に「熱い出汁」をかけて食べる「あつあつ」や「冷たい麺」に「冷たい出汁」をかけて食べる「ひやひや」もあります。
寒い冬にモチモチ麺を熱い出汁で食べるのもよし、暑い夏に冷たい麺と冷たい出汁で食べるのもよし、そのスタイルは自由です。
セルフのお店が多い讃岐ならでは生まれたスタイルなのかもしれません。
食べ方のバリエーションも覚えたところで、思いきり讃岐うどんをエンジョイしましょう。
讃岐うどんは麺もさることながら、うどんのつゆもこだわりの一つです。
讃岐の土地では「だし」と呼ばれる、讃岐うどんのつゆについてまとめてみました。
まずは讃岐うどんの「だし」の基本についてご説明しましょう。
讃岐うどんのだしは「いりこ」と「昆布」がメインです。
・香川全土でポピュラーな「いりこだし」
昔から瀬戸内海ではカタクチイワシを加工した「いりこ」でとった出汁が一般的でした。
頭や内臓を取って、水またはぬるま湯で丁寧にあらって火にかけるていりこの出汁を取ります。
いりこだしは塩気が強く、食べ慣れていないとしょっぱいと感じる事が多いため、近年ではみりんなどを加えてうどんのだしを作る店舗が増えてきました。
またサバ節などを使って味に深みを出す所もあり、お店の数だけ「だし」へのこだわりがあるようです。
・昆布も欠かせない
いりこだけではなく、だしには昆布も欠かせません。
黒く、厚みのある良質な昆布を一晩水に浸し、臭みが出るまでに取り出して弱火で煮ます。
こちらも店舗ごとにこだわりがあり、昆布でおいしいだしを取るには熟練の技術が必要と言われています。
讃岐うどんのだしは一種類だけでなく、うどんの種類によってかけるだし、つけるだしが違います。
「かけだし」は一般的なうどんのつゆになります
かける量は麺が浸る程度で、他の地域のうどんに比べると若干少な目ですが、讃岐うどんの中ではだしの量は多い方です。
「つけだし」はざるうどんや釜揚げうどんなどにつける濃い味のつゆです。
麺を一口ずつとり、つけだしをつけて食べます。
「醤油」と聞くと調味料の醤油がイメージされますが、讃岐での「醤油」は関西特有の甘口醤油を指します。
と言っても、「かけだし」のようにたくさんかけてしまうと、うどんの味が分からなくなってしまうので、少量だけをかけて
うどんの麺を楽しみます。釜玉うどんの時に醤油を使うお店もあります。
「ぶっかけだし」は「かけだし」よりも濃く、つけだしよりは薄いだしの事です。
文字通り、少量をうどんに「ぶっかけ」ます。
店舗によってはみりんを効かせた甘目のだしの場合もあります。
讃岐うどん店のだしは、いりこと昆布の配分、みりん、サバ節、隠し味などを加えるかによってこだわりがあります。
お気に入りのだしを見つけるのも、讃岐うどんを楽しむポイントです。
讃岐うどんの聖地ともいえる香川県讃岐地方では、他の地方の住人より血糖値が高めと言われています。
美味しいうどんが身近にあるがゆえの数値と思われますが、健康的な食べ方もあります。
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うどんの消費量が全国で群を抜いて1位の香川県。
その昔は「讃岐地方」と言い、昔からうどんが作られ、そして消費されてきました。
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